
寸又峡温泉への旅の帰り道、家族へのお土産として選んだのは、静岡名物の「安倍川餅」。実は今回、あえてこの“昔ながらの定番”を選んでみました。
というのも、普段の自分なら、お土産コーナーで目を引くような今どきのスイーツや洒落たパッケージの商品を選びがちなのですが、今回はなんとなく気分が違ったんです。温泉街の素朴さや、SLの汽笛が響く静かな風景、そして肩の力を抜いて過ごした時間が、どこか懐かしい気持ちを呼び起こしてくれたのでしょうか。そんな旅の余韻のまま、ふと目に留まった「安倍川餅」を手に取りました。
正直に言うと、お金を崩したいという実利的な理由もあって、一番小さなパックを購入したのですが(笑)、これが大正解。いざ家で食べてみると、これがなんとも言えず美味しい。餅はふわりとやわらかく、包み込む餡は上品な甘さ。そして、まぶされた黄な粉が香ばしく、ほどよいアクセントを添えています。
取り立てて奇をてらった作りでもなく、見た目も極めてシンプル。それなのに、口に入れた瞬間に「あぁ、こういうのが一番落ち着くな」としみじみ思わせてくれる味わいです。流行に左右されない、時代に流されない、そんな静かな誇りを感じるお菓子。きっとそれこそが、何百年も人々に愛され続けてきた理由なのでしょう。
家族も「やっぱりこういうのがいいね」と、ほっとした顔で頬張ってくれました。肩肘張らずに、素直に「美味しいね」と言い合える、そんな時間を作ってくれた安倍川餅。まるで今回の旅そのものを象徴しているようなお土産でした。
つき立ての餅に黄な粉をまぶし、その上から白砂糖をかけた物である。現在では、黄な粉をまぶしたものとこし餡を絡めたものの二種類を一皿に盛った物が一般的である。
Wikipedia(安部川もち)
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