木村文乃主演、連続ドラマW『石の繭 殺人分析班』のあらすじ・感想など

私的評価

WOWOWの連続ドラマ『石の繭 殺人分析班』を観ました。
Amazonプライムビデオでの視聴です。

全体的に見ると、ストーリー展開や演出が巧みで、とても面白く観ることができました。ただ、個人的には第2話で犯人がある程度予想できてしまったのが少し残念でした。その理由は、登場人物のキャスティングにあります。まさかこんな役を、この俳優さん(名前は正直知りません)が演じるとは思わなかったのです。普段ならほとんど目立たない、顔も知らない俳優が務めるような役柄だったため、「あ、この人が犯人だ」とすぐに確信してしまいました。案の定、その予想通り犯人はその俳優さんでした。

とはいえ、それでもドラマの面白さは損なわれていません。謎解きの過程で、さまざまな伏線やパズルのピースがひとつずつはまっていく構成は秀逸で、最後まで引き込まれて観ることができました。犯人が早くから予想できても、緊張感や心理描写、チームの捜査過程の描き方がしっかりしているため、物語として十分楽しめます。キャラクター同士の関係性や、分析班のプロフェッショナルぶりも見どころで、全体として完成度の高いサスペンスドラマだと感じました。

★★★☆☆

私的評価

監督は内片輝。
原作は麻見和史の『石の繭』、『警視庁捜査一課十一係シリーズ』の第1作です。
脚本は渡辺謙作。
主演は木村文乃、その他出演者には青木崇高、渡辺いっけい、平岳大、北見敏之ほか。

2015年秋にWOWOWで放送されました。全5話。木村文乃が、正義感が強いが経験が少なく危なっかしい警視庁捜査一課の刑事を演じます。原作は麻見和史による警察小説シリーズ『警視庁捜査一課十一係』の第1作です。如月塔子と彼女が所属する警視庁捜査一課十一係の刑事たちの活躍を描きます。

作品の紹介・あらすじ

あらすじ
刑事だった父の後を継ぎ、警視庁捜査一課十一係の刑事となった如月塔子(木村文乃)。ある日、廃ビルの地下室で、床にセメントで塗り込まれた死体が発見された。犯人は一体何故こんな殺し方をしたのか?
捜査会議が始まり、その最中に“トレミー”と名乗る犯人から捜査本部に電話が入り、塔子が交渉相手となる。殺人に関するヒントを提示しながら警察を愚弄・挑発するトレミー。やがてトレミーから第二の犯行予告の電話が入る。そして予告通り第二の犠牲者が出た。被害者はまたもセメントで塗り固められていた。

連続ドラマW

感想・その他

観ていて特に違和感を覚えたのが、倉庫が爆破されるシーンです。「危ない、逃げろ!」と叫んでいるはずの主人公が、なぜか逃げずにフラフラと歩き続けるのです。この場面を見たとき、思わず「死にたかったのか?」「どんな意図の演出だったのか」と首をかしげてしまいました。緊迫したシーンのはずなのに、演出の意図がうまく伝わらず、不思議な印象が残りました。

一方で、主人公の指導官役を演じた青木崇高さんの存在感は際立っています。我が家では通称「優香の旦那さん」と呼んでおり、以前から見知っていましたが、このドラマで演技を見るのは初めてです。落ち着いた佇まいと表情の豊かさ、そして見れば見るほど味が出てくる顔つきが、役柄にぴったりで好印象でした。

それに対して、主役の木村文乃さんの演技は、私にはやや物足りなく感じられました。特に声のトーンや演技の抑揚が耳に付き、役柄との一体感が薄い印象です。キャラクター設定や台詞の意図は理解できるものの、演技自体が少し鼻につくというか、ドラマ全体の没入感を削いでしまっているように感じられました。ここだけが非常に残念で、全体の印象を少し損なってしまっているように思います。

全体として、物語のテーマやストーリー展開は興味深く、青木崇高さんの演技は光るものがありますが、主人公の演技に違和感を覚える部分があるため、好みが分かれる作品かもしれません。

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