田中邦衛主演、スペシャルドラマ『北の国から '87初恋』(再見)のあらすじ・感想など

私的評価

フジテレビ制作のスペシャルドラマ『北の国から ’87初恋』を観ました。
DVDでの視聴です。

この回で印象的だったのは、純の“機械いじり好き”という一面です。あだ名が「ペンチ」と呼ばれるほど、機械に熱中する姿が描かれていました。しかし、振り返ってみると、それ以前やそれ以降に純が機械いじりをしていた描写はあまり記憶にありません。まるで、この風力発電を完成させるためだけに用意された設定のようにも感じられ、少し違和感を覚えました。

とはいえ、純が夢中で作業する姿や、一つの目標に向かって真剣に取り組む様子は、彼の成長や真摯な性格を象徴する場面でもあります。ドラマ全体を通して、そんな小さなディテールも、北海道の自然や家族の暮らしと相まって、独特の味わいを醸し出しているのです。

結局、この“ペンチ純”の描写も含め、『’87初恋』は、純と螢の成長や人間味を楽しむには欠かせないエピソードであり、何度観ても面白く、味わい深い作品だと改めて感じました。

★★★★☆

作品概要

プロデューサーは山田良明。
原作・脚本は倉本聰。
出演は田中邦衛、吉岡秀隆、中嶋朋子、横山めぐみほか。

1987年3月にフジテレビ系列で放送されたテレビドラマです。中学3年生の純は、電気製品を手当たり次第に分解するという日々を送っている。そんなある日、大里という農家の裏に捨ててある奇妙な風力発電の風車を見つける。それに興味をそそられるが、それよりも大里家の娘れいと出会ってその美しさに一目惚れしてしまう…。

作品の紹介・あらすじ

中学3年の純(吉岡秀隆)のニックネームはペンチ。電気製品に熱中して常にペンチを携帯、手当たり次第に分解しては物議をかもしている。そんな純が、大里という農家の裏に捨ててある奇妙な風力発電の風車を見に行く。車輪に鍋を組み合わせた風車に興味をそそられるが、それよりも大里家の娘れい(横山めぐみ)と出会ってその美しさに一目惚れしてしまう。れいは富良野の町の中学に通っているので、これまで知らなかったのだ。二人はほのかに好意を寄せ合い、付き合うようになるが、れいが中学を卒業したら東京の高校へ行くと聞いて、純もその気になる。しかし父の五郎(田中邦衛)には言い出せず、ひそかに東京の叔母雪子(竹下景子)に手紙を書く。一方純は、五郎の誕生祝いに自分で風力発電を完成させようと懸命になる。やがて、卒業も近づいてくる…。

『北の国から ’87初恋』BSフジ

感想・その他

急に遠くへ行くことになりました
黙って行っちゃってゴメンナサイ
純君のこと大好きです
いっぱいいっぱいいいことあるように


この回のドラマは「初恋」とあるように、なんと言っても純とれいちゃんの甘酸っぱい恋の話がメインでしょう。もう、上記のれいちゃんちゃんが残したラブレター。中学生の男子はもちろん、50男でもドキドキ、メロメロになる内容だと思いますね。とくに「大好きです」と言葉で言われるより、手紙の方がズンと心に来ます。それから「いっぱいいっぱいいいことあるように」は中学生らしい文だけど、キュンと来ちゃいます。それを書いたのが、れいちゃんなら尚更です。そう、あの時のれいちゃんを演じた横山めぐみさんは、可憐で透き通るような清らかさがありましたね。
あと、純の「どなっても父さんが怒らないことに、傷ついていた」これですね。中学生の純には分からないかもしれませんが、今の自分ならよく分かるんです。もう中学くらいの子供は、怒れないんですよ。体が大きくなって怖いとかそういうのではなくて、なんだろう「大人と大人」の関係なんですね。そりゃあムカついて怒鳴りたくなることもあるんですが、そんなことしたら余計に反発されますからね。でも、決して放任している訳でもない、純にはそう言ってやりたいんです。

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