私的評価
TBS制作の連続ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』を観ました。Amazonプライムビデオでの視聴です。
大好きなドラマ。夏になると観たくなるのがドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』です。少し遅くなりましたが、今年も観ました。毎年、一日一話で一気観します。ここ数年、欠かさず観ていますが、これが何度見ても見飽きないのです。
★★★★★
作品概要
プロデューサーに石丸彰彦。ディレクター・監督陣には、堤幸彦、石井康晴、平川雄一朗。
原作は片山恭一の同名作で、脚本は森下佳子。
出演は山田孝之、綾瀬はるか、三浦友和、手塚里美、高橋克実、大島さと子ほか。
2004年7月2日から9月10日まで、毎週金曜日22時からTBS系の「金曜ドラマ」枠で放送されました。
『世界の中心で、愛をさけぶ』は、片山恭一の青春恋愛小説です。
作品の紹介・あらすじ
片山恭一の大ベストセラー小説をドラマ化。2004年公開の映画もヒットし“セカチュー”ブームを巻き起こした「世界の中心で、愛をさけぶ」。最愛の恋人を亡くして以来17年間心を閉ざし続けた主人公・朔太郎が、彼女の思い出と向き合い、未来へ踏み出すまでを描く。ドラマでは原作を基に、オリジナルストーリーで贈る。
主人公・松本朔太郎(=サク)の高校時代を山田孝之、17年後の朔太郎を緒形直人が演じ、現在と過去が交錯しながらストーリーは展開する。ヒロイン・廣瀬亜紀役には人気女優の綾瀬はるか。このほか、三浦友和、桜井幸子、手塚理美、松下由樹、仲代達矢ら豪華俳優が脇を固める。
TBSチェンネル(世界の中心で、愛をさけぶ)
感想・その他
このドラマを観ると、まず心に浮かんでくるのは、自分の青春時代の風景です。制服姿の高校生たちが、漠然とした不安と、そして初めての恋に揺れる――そんなシチュエーションが、どこか懐かしく、そして少しだけ胸を締めつけます。物語前半の、亜紀と朔の出会いから病気が発覚するまでの青春ストーリー。あの甘酸っぱくて、どこまでも純粋で、でも少し不器用な恋の描写が、本当にたまりません。高校時代、こんな風に好きな人と教室で目が合ったり、図書館で話したり、放課後にちょっと寄り道したり…そんな些細なことがまるで宝石のように輝いて見える時期が誰にでもあるはず。亜紀と朔のような、互いを思い合いながら少しずつ距離を縮めていく恋愛に、誰もが一度は憧れたのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。現実はというと…そんな理想的な恋など影も形もなく、だからこそ余計にこのドラマの世界に惹き込まれ、羨ましくも感じるのです。「好きよ、朔ちゃん」なんて言われたかったなぁ…と、思わず一人で叫びたくなるほどに(笑)。
そして何より、この作品の最大の魅力は、亜紀を演じた綾瀬はるかさんの存在です。もう本当に、言葉にならないほどの透明感と美しさ。まるで現実に天使が降りてきたかのような、そんな神々しさがありました。作中でも「天使」という表現が使われる場面がありましたが、それは決して大げさではありません。病気と闘いながらも人を思いやる心の美しさ、無垢な笑顔、そして何より朔に向けるまっすぐな愛情。それらすべてが、綾瀬はるかさんによって圧倒的な説得力で描かれていました。彼女でなければ、この『セカチュー』は成立しなかったとすら思えます。
もうひとつ忘れてはならないのが、主題歌の「かたちあるもの」。毎回、エンディングでこの曲が流れるたびに、その回の余韻がじんわりと胸に広がっていきました。作詞を担当したのは柴咲コウさん(共作)。亜紀の想いがそのまま歌詞になったような、優しく、でもどこか切ない言葉が、心に染み渡ります。ドラマの美しさと悲しみ、そして登場人物の心情を補完するように流れるこの一曲が、『世界の中心で、愛をさけぶ』という作品を“名作”たらしめた大きな要素のひとつだと、私は信じています。
物語のラスト、めいっぱい生き抜いた朔が、夢の中のような幻想の中で、亜紀と再び手を取り合い、歩いていくシーンが描かれます。そこには涙があり、癒しがあり、そして救いがあります。あの場面を思い出すたびに、「よかったね、朔。よかったね、亜紀」と、心の中でつぶやいてしまうのです。
いつかは必ず訪れたい場所があります。それが、ロケ地となった伊豆半島の松崎町。あの堤防の上に立ち、朔と亜紀が並んで歩いたあの場所から、同じ海を見てみたい。あの風に吹かれ、あの光を浴びながら、もう一度このドラマを思い返したい。そう思わせてくれるほどに、この作品は私の心の深いところに残っています。
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