アダム・ナゲイティス主演、海外連続ドラマ『ザ・テラー』のあらすじ・感想な ど

2018年8月6日月曜日

ドラマ 連続ドラマ(海外物)

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私的評価

なにか面白そうなドラマがないかと探しているときに、この『ザ・テラー』を見つけました。
Amazonプライムビデオでの視聴です。

凄惨な事実にもとづいた、危険な極地探検の物語『ザ・テラー』。観ている時は知りませんでしたが、このドラマは実際に起った事件を題材にしています。もちろん、ドラマに出てくるトゥンバックなる謎の巨獣など居なかったと思いますが、白熊とは遭遇していたことでしょう。
かなり面白い作品です。

★★★★☆

作品概要

監督はエドワード・バーガー。
製作はデヴィッド・カジャーニッチ、スー・ヒュー、リドリー・スコットほか。
主演はアダム・ナゲイティス, セバスチャン・アルメスト, ジャレッド・ハリスほか。

原作はダン・シモンズの「ザ・テラー ―極北の恐怖-」で、アメリカのAMC制作の海洋冒険ホラー作品で2018年に放送されました。全10話。

作品の紹介・あらすじ

フランクリン遠征は、1845年にイングランドを出発したイギリスの北極海探検航海であり、ジョン・フランクリン海軍大佐が指揮していた。フランクリンはイギリス海軍の士官であり、経験を積んだ探検家だった。過去に3回北極海に遠征しており、その2回目と3回目は隊長を務めていた。4回目がこの遠征であり、引き受けたときは59歳になっていた。遠征の目的は、カナダ北極諸島を通ってヨーロッパとアジアを結ぶ北西航路の中で、まだ航海されていない部分を横断することだった。しかし遠征の初期に幾つかの問題が発生した後、遠征隊の2隻の船がカナダ北極圏キングウィリアム島に近いビクトリア海峡で、氷に閉ざされてしまい、フランクリンを含む隊員129名全員が失踪した。

フランクリン遠征

感想・その他

物語の舞台は、19世紀半ば――1845年の北極海。イギリス海軍のエレボス号とテラー号の2隻が、「北西航路」と呼ばれる、ヨーロッパからアジア(中国・清)への最短航路を開拓するべく、極寒の地へと航海に乗り出します。この航海は実在したフランクリン探検隊をモデルにしており、その史実にホラーやサスペンスの要素を巧みに織り交ぜた作品です。

探検隊は万全の準備を整えていました。船には室内スチーム暖房を備え、当時としては最新鋭の設備を搭載。3年分の食料を積み、真水を作るための蒸留装置まで完備しており、「これなら大丈夫」と誰もが思ったことでしょう。ところが、自然はそんな人間の傲慢を簡単に打ち砕きます。

予想を超える厳冬と氷の猛威により、2隻は進路をふさがれ、北極海のど真ん中で立ち往生。船は氷に閉ざされたまま動けず、やがて越冬を余儀なくされます。春を待ち、夏が来ても氷はまったく解けず、1年7か月もの長い間、その場に取り残されることになります。

やがて、隊員たちに原因不明の体調不良が広がり始めます。最初は軽い倦怠感や吐き気だったものが、次第に皮膚の変色や精神錯乱にまで及び、原因は食料の中に含まれる鉛だったのではないか、と推測されます。そして、極寒と飢えだけではなく、彼らを恐怖へと追い詰める存在が――謎の巨獣が氷原を徘徊し、次々と隊員を襲うようになるのです。

この“怪物”の正体は不明ながら、ただの物理的な脅威ではなく、極限状態の人間たちが抱える恐怖や罪悪感、幻覚や妄想の象徴として描かれているとも受け取れます。視覚的な恐怖に加え、内面的な崩壊も並行して進んでいくため、観ている側にもじわじわと不安が迫ってきます。

全体を通して重苦しい空気が漂い、まさに“氷の棺”の中で起こるサバイバル・ホラー。極限状態に置かれた人間たちの心理、権力と規律の崩壊、そして文明のもろさが鋭く描かれています。129名の隊員の運命がどうなっていくのか――その結末は悲惨で、救いはほとんどありませんが、それだけに圧倒的なリアリティと迫力があります。

そして、このドラマを観終わった後で驚かされるのが、これがほぼ実話に基づいているという事実。実際に消息を絶ったフランクリン探検隊のうち、エレバス号は2014年に、テラー号は2016年に、それぞれカナダ北部の海底で発見されました。150年以上もの時を経て、ようやくその一端が明らかになったわけですが、隊員たちの最期の詳細はいまだ多くが謎に包まれたままです。

『ザ・テラー』は、ただのモンスター・ホラーや歴史ドラマにとどまらず、人間の尊厳と絶望の狭間を見せてくれる傑作です。寒さだけでなく、じわじわと精神を凍えさせられるような、そんな深くて重い作品でした。怖いもの見たさの人にも、歴史好きの人にも、じっくりとおすすめできる一本です。



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1964年生まれ。糖尿病を患ってから、自転車と歩くことを趣味にしています。毎日クスリ飲んでます。

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