深津絵里・堤真一主演、連続ドラマ『恋ノチカラ』(再見)のあらすじ・感想な ど

作品概要

フジテレビ制作の連続ドラマ『恋ノチカラ』を観ました。
深夜に再放送していたのを録画し、それを視聴しました。

やはり何度観ても色あせない名作です。放送から20年以上経っているにもかかわらず、ストーリーも映像もまったく陳腐化しておらず、むしろ今だからこそ心に響く部分が多くあります。50を過ぎたおっさんの自分でも、若い頃のときめきや切なさを思い出しながら夢中で楽しめる極上のラブストーリーです。

とくに深津絵里の存在感が抜群で、彼女が演じる等身大のヒロイン像は、観るたびに新しい魅力を発見させてくれます。そして、物語を優しく包み込むように流れる小田和正の主題歌「キラキラ」。その歌声とメロディが、ドラマの名シーンと重なり、胸がじんわりと熱くなります。

やっぱり『恋ノチカラ』は、自分にとって何度でも繰り返し観たくなる特別なドラマです。

★★★★☆

作品概要

脚本は相沢友子。
企画は石原隆。
プロデューサーは船津浩一。
制作はフジテレビ。
主演は深津絵里と堤真一、その他出演者は西村雅彦、坂口憲二、矢田亜希子ほか。

2002年1月よりフジテレビ系列で放送されました。全11話。広告代理店に勤める本宮籐子に、自分が勤める会社から独立して起業した売れっ子広告デザイナー・貫井巧太郎から引き抜きの誘いがかかる。悩んだ末、誘いに応じてみたが、人違いだと言われてしまう…。

作品の紹介・あらすじ

本宮籐子(深津絵里)は大手広告会社ユニバーサル広告社に勤める30才のOL。今は恋人もいないし、仕事もクリエイティブから庶務課に移り、何ごともなく平穏に過ぎていく日々を送っている。後輩たちが噂するクリエイティブのやり手・貫井功太郎(堤真一)も、ひどく遠い存在のように感じる。
だが、ある日のこと、その貫井が独立し、同じく広告業界の若手クリエイターと注目されている木村壮吾(坂口憲二)と組んで会社を起こすことになったという。しかもあろうことか籐子にもその一員に加わって欲しいとの依頼が舞い込んできたのだ。「なぜ?私が…」困惑しながらも籐子は、新しい一歩を踏み出す覚悟を決めた。だが、いざ新会社に出向いてみると貫井から「人違いだった」との冷たい一言が…。
籐子は愕然となるが、それでも“すべてをなげうってきたのだ!と貫井に責任を取ってもらう”と迫るのだった。

フジテレビ

感想・その他

『恋ノチカラ』が放送されたのは2002年。当時の「今年の漢字」は「帰」でした。この一文字に象徴されるように、北朝鮮によって拉致された日本人5人が24年ぶりに帰国を果たした、まさに歴史的な年でした。報道で空港に降り立った彼らの姿を目にしたとき、胸に迫るものがありました。しかし、それからもう20年以上経った今も、拉致問題は完全な解決には至っていません。ご家族の高齢化も進むなか、一刻も早く進展を願わずにはいられません。

さて、そんな激動の年に放送されたドラマが『恋ノチカラ』です。主人公の一人である本宮籐子(深津絵里)は30歳。30歳と聞くと今ではまったく若いと感じるのですが、このドラマの中では「行き遅れ」「結婚は諦めた」「もう仕事に生きるしかない」といった描かれ方をしています。つまり、当時の社会的な価値観では、30歳を過ぎて独身でいることにどこかネガティブなレッテルが貼られていたのかもしれません。

今でこそ、晩婚化が進み、30代での結婚もごく当たり前。むしろ20代での結婚が珍しくなりつつある現代とは、やはり空気感が違います。それでも、2002年といえば、すでに平成も中盤に差し掛かっていた頃。そんなに昔の話でもないのに、価値観は大きく変わったのだなあと、改めて時代の流れを感じました。

正直に言うと、それまで深津絵里さんに特別な思い入れがあったわけではありませんでした。しかしこの『恋ノチカラ』で演じた本宮籐子というキャラクターに心を奪われてしまったのです。肩肘張らず、でも芯の強さを秘めている女性。彼女の自然な仕草や、ふとした瞬間に見せるあの透明感。深津さんの声もまた、耳に優しく心に響きました。この作品は、もう「深津絵里さんを楽しむためのドラマ」と言っても過言ではありません。今ではすっかり“深津ファン”になってしまいました。

ちなみに余談ですが、彼女と共演していた堤真一さん。なんと、私と誕生日が6日違い、しかも同い年だということを知って驚きました。歳が近い俳優さんの活躍を見ると、なぜだかこちらまで元気をもらえる気がします。あの頃の自分、あの時代の空気、そして今。いろんなことがつながって、このドラマがより一層特別なものに感じられるのかもしれません。

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