私的評価
映画『ライフ』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
この作品は、他のDVDを観ているときに流れた予告編で気になっていた一本。ジャンルとしては王道のSFホラー映画で、冒頭から「これは『エイリアン』路線だな」と察することができます。未知の生命体と人類との遭遇、その恐怖とサバイバル――基本の構図はシンプルなのですが、逆にその分ストーリーが分かりやすく、余計な理屈抜きでグイグイと物語に引き込まれていきました。
舞台となる宇宙ステーションの閉ざされた空間は、広大な宇宙の孤独感と相まって緊張感が途切れることなく続きます。次に何が起こるのかとハラハラさせられ、気づけば画面に釘付けになっていました。
キャストも豪華で、ジェイク・ギレンホールやライアン・レイノルズといった実力派が揃い、安定した演技を見せています。その中でもやはり目を引いたのは我らが真田広之。海外作品においても自然体の演技で存在感を放ち、日本にいた頃よりも幅広い活躍をしているのが嬉しくもあり誇らしくもあります。彼が出ているだけで、映画全体が引き締まって見えるのはさすがだなと感じました。
決して新鮮さのあるストーリーではありませんが、王道だからこそ安心して楽しめるSFホラー。宇宙と未知の生命体、この鉄板の組み合わせが好きな方には十分満足できる一本だと思います。
★★★☆☆
作品概要
監督はダニエル・エスピノーサ。脚本はレット・リース、ポール・ワーニック。
製作はデヴィッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ。
主演はジェイク・ギレンホール、その他出演者はレベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、真田広之ほか。
2017年公開のアメリカのSF映画です。『サウスポー』のジェイク・ギレンホールや『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソン、そして我らが真田広之が共演した、SFスリラー映画です。監督は『デンジャラス・ラン』のダニエル・エスピノーサ。
作品の紹介・あらすじ
解説
『デンジャラス・ラン』などのダニエル・エスピノーサがメガホンを取ったSFスリラー。国際宇宙ステーションを舞台に、火星で発見された生命体の脅威にさらされた宇宙飛行士たちの運命を追う。『ナイトクローラー』などのジェイク・ギレンホール、エスピノーサ監督作『デンジャラス・ラン』にも出演したライアン・レイノルズ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などのレベッカ・ファーガソンらが出演。宇宙船内での手に汗握る展開に息をのむ。
あらすじ
世界各国から6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに集結し、火星で採取された地球外生命体の細胞を極秘調査することに。まさに神秘としかいいようのない地球外生命体の生態に驚がくする彼らだったが、細胞は次第に進化と成長を遂げ高い知能を誇るようになる。やがて地球外生命体に翻弄(ほんろう)され、宇宙飛行士たちの関係が揺らぎ始め、ついには命を落とす者も出る。助けを呼べない宇宙で追い詰められた彼らは……。
シネマトゥデイ
感想・その他
観ていてまず強く感じたのは、「地球外からいろいろな物を持ち帰る」という行為そのものが、実はとても危険なことなのではないか、という点です。映画の中で描かれる地球外生命体「カルビン」も、発見当初は小さくて愛らしい存在に見えました。しかし、生き物というのは環境や刺激によって驚くほど変貌するもの。最初は無害に思えても、時間が経つにつれ人類の脅威になり得る…そんな恐怖を突きつけてきます。ふと現実に目を向ければ、数年前には日本の探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワからサンプルを持ち帰ったことがありました。科学的には大きな快挙であり、ロマンのある出来事でもありましたが、もし仮にその中に「カルビン」のような未知の生命体が潜んでいたとしたら…と考えると背筋が冷たくなります。もちろん現実の宇宙探査では厳重な管理がなされているのでしょうが、それでも「未知のものを地球に持ち込むリスク」という想像力をかき立てられてしまうのです。
もちろん、未知の存在が必ずしも脅威とは限りません。弱々しく、あるいは人類に友好的であるケースだってあり得るでしょう。しかし、それが脅威であった場合の想像をすると、人類の知的探究心とリスクマネジメントのバランスの難しさを考えさせられます。
そして、この映画『ライフ』の魅力は何といっても最後の結末。単なるパニックホラーで終わらず、一ひねり効いたラストには本当に驚かされました。思わず「続きはどうなるんだ?」と続編を期待せずにはいられない余韻を残してくれます。
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