岡田准一主演、映画『関ヶ原』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『関ヶ原』を観ました。
レンタルDVDでの鑑賞です。

この作品の最大の見どころは、なんと言っても役所広司さんの演技です。彼が演じる徳川家康は、貫禄と存在感にあふれつつも、時にお茶目な表情を見せるなど人間味が感じられます。その一方で、権謀術数を巡らせる冷酷さや狡猾さも持ち合わせており、観ていて「憎々しいほどの家康だな」と思わず唸らされました。役所広司さんの演技ひとつで、家康という人物の複雑さや計算高さが鮮明に浮かび上がります。

逆に言えば、この映画における家康役の存在感があまりにも強いため、他のキャラクターやエピソードは少し霞んでしまう印象です。物語全体のスケールや戦国の駆け引きの描写もありますが、観る者の視線はどうしても家康に引き寄せられます。その意味で、この作品は「役所広司の家康映画」と言っても過言ではないでしょう。もし彼が家康を演じていなければ、この映画は印象が大きく変わっていたに違いありません。

映像面でも、関ヶ原の戦いの場面や城内の緊張感は迫力がありますが、やはり物語を支えているのは役者の力です。特に役所広司さんの堂々たる演技が、戦国時代の重厚さと政治の駆け引きをより一層際立たせています。

★★☆☆☆

作品概要

監督・脚本は原田眞人。
原作は司馬遼太郎の同名小説。
製作は市川南、佐野真之。
出演は岡田准一、役所広司、有村架純、平岳大、東出昌大、松山ケンイチほか。

2017年公開の日本映画です。石田三成と徳川家康を主人公に、豊臣秀吉の死から天下分け目の関ヶ原の戦いに至るまでの過程を描いた司馬遼太郎原作の歴史小説『関ヶ原』の映画化作品。

作品の紹介・あらすじ

解説
小説家・司馬遼太郎の著書を、『日本のいちばん長い日』などの原田眞人監督が映画化。豊臣秀吉亡き後の天下をめぐり、徳川家康を総大将とする東軍と、石田三成率いる西軍が激突した「関ヶ原の戦い」を描く。これまで描かれてきた人物像ではない三成を岡田准一、策略を駆使し三成を追い詰めていく家康を役所広司、三成への恋心を胸に彼を支え続ける忍びを有村架純が演じる。日本の戦国時代における重要な合戦が、どのような切り口で映し出されるのか注目。

あらすじ
豊臣秀吉の死後、豊臣家への忠義を貫く石田三成(岡田准一)は、天下取りの野望に燃える徳川家康(役所広司)と対立を深めていく。そして1600年10月21日、長きにわたった戦国時代に終止符を打った歴史的合戦「関ヶ原の戦い」は、早々に決着がついた。有利と思われた三成率いる西軍は、なぜ家康率いる東軍に敗れたのか……?

シネマトゥデイ

感想・その他

役所広司さんが好きなのと、これまでにないスケールで描かれる合戦シーンに期待してレンタルしてみました。しかし、映画を観てみると、話のテンポはトントン拍子で進む一方、場面ごとのつながりがぶつ切れのように感じられ、物語としての流れがつかみにくい印象でした。原作を読んでいる人や、歴史に詳しい人でなければ、登場人物や経緯の意味が理解しづらいのではないかと思います。

楽しみにしていた合戦シーンも、思ったほどの迫力や緊迫感はなく、少し期待はずれでした。さらに気になったのは、加藤清正や福島正則といった重要武将の描き方です。関ヶ原の戦いの後、家康でさえ彼らの扱いに苦心した歴史があるのに、この映画での二人の描写には大きな違和感を覚えました。人物像の深みが十分に描かれておらず、歴史上の微妙な駆け引きや個性が薄れてしまっています。

観終わって改めて考えると、どうして今まで「関ヶ原」が映画化されなかったのか、その理由がよく分かりました。関ヶ原の合戦に至るまでの経緯を、映画の限られた尺の中で描くのは非常に難しいのです。原田監督はその挑戦を試みたのでしょうが、結果として中途半端な作品になってしまった感は否めません。

それでも、役所広司さんの圧倒的な存在感や、戦国時代の緊張感を感じさせる映像美など、映画ならではの見どころもあります。歴史の細部を追うよりも、俳優たちの演技や合戦の迫力を楽しむつもりで観るのが、この作品の正しい楽しみ方かもしれません。

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