
猫の顔にも、よくよく見るとずいぶんと個性があるものだと気がついた。
リンは昔から平べったい顔立ちで、どこか素朴で落ち着いた印象。対してキイは鼻と口がツンと前に出っ張っていて、横顔のラインがくっきりしている。並べて見ると、まるで別の国の猫のように違うのだ。
言うなれば、リンは「日本人顔」。柔らかく丸みを帯びた造形で、親しみやすさを感じさせる。
そしてキイは「欧米人顔」。立体的で彫りが深く、写真にするとちょっとモデルのような雰囲気すら漂う。
どちらももちろん可愛いのだが、最近ふと気になってしまうのはリンの表情。年齢のせいか、少しずつ「老け顔」が目立ってきている気がして、つい切なくなる。まぶたの重み、目尻の下がり方、そして穏やかながらもどこか遠くを見つめるような眼差し――。
それでも、若さを振りまくキイにはない「落ち着き」や「包容力」がそこにはあって、また違った愛おしさを感じさせるのだ。結局のところ、平べったかろうが出っ張っていようが、うちの猫たちはどちらも私にとってかけがえのない存在なのである。
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