
少しずつ、少しずつ、一緒にいる時間を増やしている。
お互いにまだ完全には心を開いてはいないようで、ときどき低い声で唸り合うこともある。しかし幸いなことに、猫パンチの応酬までは発展していない。
なぜかといえば、単純な話だ。体の大きさが五倍はありそうな先住猫リンの方が、なぜか毎回逃げていくのである。堂々たる体格の持ち主が、ちびっ子に押され気味という構図は、見ているこちらにとっては微笑ましくもあり、不思議でもある。リンのプライドは大丈夫なのだろうか。

ひとまず、猫トイレを一つ追加した。新入りにとっても「ここは自分の居場所だ」と感じられる専用スペースが必要だろう。しかし、実際にそのトイレを使うのは、もう少し先のことになりそうだ。新しい環境に慣れるまでには、時間がかかる。
唸り声の裏にあるのは警戒心か、それとも遊びへの誘いなのか。二匹の関係がどう変わっていくのか、こちらも固唾をのんで見守るしかない。小さな日常のやり取りの中に、次の一歩のヒントが隠されているのかもしれない。
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