
子猫のキイ。
食い意地が張っていると言うべきか、それともただのグルメなのか。とにかく食べ物に対する情熱がすさまじい。
先住猫リンのために購入したものの、まったく手をつけてもらえなかった「ちゅ〜る」。お蔵入りしかけていたそれをキイに差し出したところ…まるでスイッチが入ったかのように豹変した。
がっつく、がっつく。
しかも唸り声つきで食べるのだから、迫力満点だ。小さな体からあんな低い声が出るなんて、まるで別猫。指先までパクリといかれそうな勢いに、思わず身を引く。恐怖と笑いが同時に込み上げてくる瞬間だ。名前を「キイ」から「デビル」に変更しようかと本気で考えたほどである。
さらに困ったのは、その後の執念深さだ。包装のビニールをガシガシと噛み、あっという間にボロボロにしてしまう。まさか本当にビニールまで食べていないだろうなと、こちらは冷や汗ものだ。
結論。これからはお皿に移してから与えるしかない。猫用おやつ一つにしても、安心して与えられる工夫が必要らしい。だが、それにしても――夢中で「ちゅ〜る」をむさぼるキイの姿には、笑いと恐怖が入り混じる不思議な魅力がある。
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