私的評価
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
ドラマ版が面白かったので観てみた劇場版のこの作品でしたが、なんだか期待外れの内容でした。
なにがダメだったのか。まずドラマ版で見られたような主人公・誉獅子雄の鋭い推理が無かったことでしょうか。そして、ドラマ版のその後の展開を期待していたのに、全くの別ストーリーの映画になっていたことです。「なに、この終わり方は?」と思える映画のラストもいただけない内容でした。
★★☆☆☆
作品概要
監督は西谷弘。原案はアーサー・コナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』。
脚本は東山狭。
製作は太田大、高木由佳、石塚紘太。
主演はディーン・フジオカ、その他出演者に岩田剛典、新木優子、広末涼子、村上虹郎、渋川清彦、西村まさ彦ほか。
2022年公開の日本映画です。アーサー・コナン・ドイルの探偵小説「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案としており、テレビドラマ「シャーロック」の劇場版となります。
作品の紹介・あらすじ
解説
アーサー・コナン・ドイルの推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズをもとにしたドラマ「シャーロック」の劇場版。原作中の「バスカヴィル家の犬」を題材に、犯罪捜査専門のコンサルタントと元精神科医のコンビが、誘拐未遂事件を捜査する。ドラマ版の演出を務めた西谷弘が監督、同じく脚本の東山狭が本作も担当し、シャーロックにあたる主人公をディーン・フジオカ、ワトソンにあたる相棒を岩田剛典が演じている。
あらすじ
犯罪捜査コンサルタント助手の若宮(岩田剛典)は、資産家から娘の誘拐未遂事件の犯人捜査を依頼されるが、それから間もなく資産家は謎の死を遂げる。若宮とコンサルタントの誉(ディーン・フジオカ)は、ばく大な遺産を遺(のこ)して亡くなった資産家の死と誘拐事件捜査のため、瀬戸内海の島を訪れる。周囲から孤立したその島には、人を襲う魔犬の伝説があった。
シネマトゥデイ
感想・その他
なぜだか自分でも理由がよくわからないのですが、以前の私はディーン・フジオカという俳優をどこかで“毛嫌い”していました。演技がどうこうというよりも、「なんだか雰囲気がキザ」「どうせ見た目だけの人でしょ?」と、勝手な先入観で遠ざけていた気がします。もちろん、作品をじっくり観たわけでもなく、ただテレビやネットでチラリと見かけた印象だけで「苦手だな」と決めつけていたのです。ところが——そんな私のディーン・フジオカ観をガラリと変えてしまったのが、彼が主演を務めたドラマ版『シャーロック アントールドストーリーズ』でした。
原作のイメージとはひと味違う、どこかクールで孤高、けれども人間味のある探偵・誉獅子雄。その人物像を、彼は実に魅力的に演じていました。表情や佇まい、台詞の一つ一つが妙に自然で、芝居っ気が強すぎない。それなのに不思議と印象に残る。回を重ねるごとに「なんか、この人…いいな」と思い始め、気がつけば毎週、ディーン・フジオカ目当てで観るようになっていました。
そして、ある日ふと気づいたのです。「あれ、自分、ディーン・フジオカのこと好きになってないか?」と。
そうなると面白いもので、今までスルーしていた彼の出演作にも目が向くようになります。たとえば、NHKの朝ドラ『らんまん』で彼が登場すると、「おっ、やっぱりディーン・フジオカっていいなぁ」なんて、ちょっとニヤけてしまう始末。あんなに冷めた目で見ていたのに、人間って勝手なものです。
そうして興味が湧いてきた私は、彼のことをもっと知りたくなり、さっそくWikipediaを開いてみました。すると、そこに書かれていたのは、想像以上にグローバルで、多才な経歴。アジア各国を渡り歩き、語学にも堪能、俳優としてだけでなく、音楽活動や映画監督まで手掛けるマルチな活躍ぶり。なにより、「ディーン・フジオカ」という芸名がなぜそうなったのかも、その経歴を知っていくうちに納得できました。もはや“名前負け”どころか、逆に“名前に込められた意志”すら感じるほどです。
正直なところ、生まれ変わることができるなら、今度はこんなふうに才能にあふれ、かつ自分のスタイルを貫く男になってみたい——そんな願望すら抱いてしまいます。
人を好きになるのに、理屈なんて必要ないんですね。むしろ一度、誤解していたからこそ、そこから見えてくる魅力はひときわ輝いて見えるのかもしれません。今ではもう、「ディーン・フジオカって、いいよね」と、堂々と言えるようになった自分が、なんだかちょっと誇らしいです。
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