
今週だけで、なんと2匹ものスズメを捕獲・殺害してしまった、我が家の猫・キイ。
その罪により、ついに2階ベランダへの出入りを全面禁止としました。
ベランダのガラス戸の前で、「ニャーニャー」と声を張り上げ、切なげな目でこちらを見つめてきます。まるで「なんでダメなの?」と訴えているようで、ちょっと胸が痛みますが、仕方ありません。スズメにとっては死活問題、命のやりとりなのですから。
キイの狩りのスタイルは、なかなか本格的です。
ベランダの外側、上空から見えづらい角のあたりに身を低く伏せて、じっと動かず気配を消す。最初は「なんでそんな隅っこで蹲ってるんだ?」と不思議に思っていましたが、それこそが彼の狩猟本能が選び取った“待ちの姿勢”だったようです。スズメが油断して降りてくるのを、じっと、じっと待ち構えているのです。
そして仕留めた後は、まるで戦果の報告でもするかのように、スズメを咥えて1階のリビングまで降りてきます。「ほら、やったよ!」と言いたげな誇らしげな顔。その姿にはちょっと笑ってしまいますが、問題はそのあと。キイはスズメを食べるわけではなく、ただ急所を一撃で仕留めてしまっているようで、すでにスズメは動かなくなっていることがほとんどです。
まだほんのりと温かいその亡骸を、私は裏庭の片隅に丁寧に埋葬します。ただ、ふとよぎるのは、そのうち以前の埋葬場所を掘り返し、スズメの白骨が出てくることです。ちょっとホラーめいた懸念。それを想像すると、なんとも「おそがい(恐ろしい)」ものがあります。
とはいえ、ベランダに出してあげたい気持ちもあります。風の匂いを嗅ぎ、鳥の声を聞いて、自由を満喫するキイの姿は本当に嬉しそうなんです。そこで思案中なのが“首輪”。音の鳴る鈴を付けた首輪をつければ、さすがのキイでもスズメを狩るのは難しくなるはず。それでも彼が“忍びの技”を発動して、鈴を鳴らさずに近づいたとしたら…それはそれで、もう脱帽ですが。
動物の本能と、人間との共生。そのあいだで、今日もキイとの知恵比べが続いています。
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