
岐阜県大垣市上石津町にある水嶺湖。
初めてこの場所を訪れたのは、もうずいぶん昔、私がまだ20代の頃でした。特に明確な目的があったわけではなく、地図で見かけて何となく立ち寄っただけ。けれど、その何気ない訪問が、今では思い出深い原点のような場所となりました。
湖は山間の緑に包まれ、静かで穏やかな時間が流れています。湖面には風がやさしく波紋を描き、聞こえるのは鳥のさえずりや木々のざわめきばかり。そんな環境にすっかり魅了され、以来、季節を変えて何度もこの水嶺湖を訪れるようになりました。
ある時は、自転車をクルマに積み込んで現地でデポし、滋賀方面まで走るMTBレースのトレーニング。別の日には、あえて何もせず、助手席の窓を少し開けて鳥のさえずりをBGMに、クルマの中でうたた寝をして過ごしたこともあります。静寂に包まれながら、身体も心も自然と緩んでいくような、そんな贅沢な時間でした。
ここ数年は、近くを通ることがあっても「また今度」と通り過ぎるばかりで、足を止める機会がなかなかありませんでした。でもふと思い立ち、久しぶりに立ち寄ってみたのです。
車を降りて湖畔に近づいた瞬間、目の前に広がる景色は、あの頃と何も変わっていませんでした。水面は静かにたたえられ、周囲の木々も変わらぬ佇まい。時間だけが私の中で進み、この場所はずっと同じ姿で待っていてくれたような、不思議な感覚に包まれました。
ちなみに、これまで長いこと「みずみねこ」と読んでいたこの湖、実は正しくは「すいれいこ」だということを、この文書を書くことにより知りました。音の響きだけでなんとなく覚えていた自分を少し笑いつつ、「水嶺(すいれい)」という美しい読みが、この場所により一層ふさわしいようにも感じています。
何もないけれど、何かがある。静かだけれど、心が満たされる。水嶺湖は、そんな場所です。これからもふと立ち寄りたくなる、私にとっての小さな心のオアシスであり続けてくれることでしょう。
打上調整池は、牧田川取水工と中里貯水池の間に位置する。その目的は、牧田川から取水した水を最大5m3/s導水貯留し、牧田川沿岸既得用水へ補給するとともに、最大5m3/s、年間1,000万m3を限度とし、中里貯水池に導水するものである。
ダムは、堤高29.70mのゾーン型フィルダム(傾斜コア型)で、貯水池の有効貯水容量は、220万m3である。
基礎の地質は、新第3紀大泉累層の砂岩、泥岩等の互層よりなり、ダム軸とほぼ直角方向の走行をなし、右岸から左岸に向かって約15°~20°傾斜している。また、砂岩層は半透水性の基盤であるため、浸透抑止工として、ダム上流にブランケット工、左右岸の袖部にフェーシング工を施工している。
築堤材料は、不透水部には米野累層の粘土混り砂礫材料、半透水部には市の原累層の砂礫の多い材料を使用している。工事は近代化された機械施工を主体とし、ダム工事は、昭和61年3月から平成元年7月である。
なお、ダム湖は、分水嶺を越える分水のための湖ということから、公募により平成2年(1990年)に水嶺湖(すいれいこ)に決定した。
独立行政法人 水資源機構 三重用水管理所



2 件のコメント:
匪石です。
ドライブの季節ですよね。
さすが良さげなコースを多くお持ちで。
>「みずみねこ」
コレは我々世代にありがちな「ふじみねこ」が
原因です。或いは「にしかわみねこ」の線もー
匪石さん、コメントありがとうございます。
なるほど、間違えてしまった原因の根底にはそれがあったのですね。
私の場合は「にしかわみねこ」かなぁ、お世話になったこともあったし(笑)
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