ヨルマ・トンミラ主演、映画『SISU/シス 不死身の男』のあらすじ・感想など

2024年3月11日月曜日

映画 映画(洋画)

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私的評価

映画『SISU/シス 不死身の男』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

面白そうなので観始めましたが、なぜか字幕が表示されませんでした。それでもこの映画が全体的にセリフが少な目であったこと、アクションシーンの映像だけでも見入ることができたことなどで、結局最後まで観ることができました。字幕を問題を解決して、もう一度観てみましたが、やはり主人公のセリフは最後のみで、あとは雄たけびだけでした。
小難しい人間関係もなく単純明快なストーリーで、映画『ジョン・ウィック』にも通じる観終わった後は爽快感さえありました。とは言え、血しぶきが舞う戦争ものには違いありません。

★★★★☆

作品概要

監督・脚本はヤルマリ・ヘランダー。
製作はペトリ・ヨキランタ。
主演はヨルマ・トンミラ、その他出演者にアクセル・ヘニー、ジャック・ドゥーラン、ミモサ・ヴィッラモほか。

2023年公開のフィンランドのアクション映画です。フィンランドはソ連からの侵攻を受けただけでなく、第二次世界大戦末期にはナチスドイツと戦うことに。伝説の軍人である主人公アアタミ・コルピは掘り当てた金塊を運ぶ最中に、ナチス戦車隊に遭遇し、自らの金と命をねらうナチス戦車隊を相手に立ち向かう。

作品の紹介・あらすじ

解説
第2次世界大戦末期のフィンランドを舞台に、一人の老兵がナチスドイツの戦車隊と激闘を繰り広げるバイオレンスアクション。監督を務めたのは『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』などのヤルマリ・ヘランダー。同監督作『レア・エクスポーツ ~囚われのサンタクロース~』などのヨルマ・トンミラが不死身の老兵を演じ、『ヘッドハンター』などのアクセル・ヘニー、『セメタリー・ジャンクション』などのジャック・ドゥーランのほか、ミモサ・ヴィッラモ、オンニ・トンミラらが出演する。

あらすじ
第2次世界大戦末期の1944年、ナチスドイツに国土を焼き払われたフィンランド。金塊を掘り当てた老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)はいてつく荒野を旅する途中、ブルーノ・ヘルドルフ中尉(アクセル・ヘニー)率いるナチスドイツの戦車隊に遭遇し、金塊も命も奪われそうになる。かつて祖国に侵攻したソ連兵を撃退した伝説の兵士であるアアタミは、持っていた1本のツルハシと不屈の精神“SISU”を武器に、次々と敵を血祭りに上げていく。

シネマトゥデイ

感想・その他

映画『SISU/シス 不死身の男』を観ました。痛快なアクションと独特の映像美に魅せられる一本で、まるで“北欧版ランボー”のような主人公の活躍に引き込まれました。しかしこの映画、単なる娯楽作としてではなく、実は第二次世界大戦末期のフィンランドの複雑な歴史的状況を背景にしている点が非常に興味深いのです。

映画の中では、ナチス・ドイツ軍がフィンランドの地で略奪や暴虐の限りを尽くしており、それに立ち向かう謎の男が描かれます。表面的には、ナチスの悪行に怒りを燃やす地元の英雄が正義の鉄槌を下す――という単純な構図に見えるのですが、その背後にはもっと複雑な歴史的事情があります。

実はそれ以前、フィンランドはナチス・ドイツと協力関係にありました。というのも、フィンランドは1941年から「継続戦争」と呼ばれる戦争でソ連と交戦しており、その際にドイツと軍事同盟的な立場で共同戦線を張っていたのです。つまり、当時フィンランドは事実上、枢軸国の一員として第二次世界大戦に参加していたわけです。

しかし、戦況がドイツ不利に傾き始め、1944年になるとフィンランドは戦争継続の限界を悟り、ソ連との間で休戦協定を結びます。ところがその休戦条件の一つに、「自国に駐留するドイツ軍の排除」が含まれていました。そのため、かつては同じ敵に立ち向かっていたフィンランド軍とドイツ軍は、今度は敵同士として戦うことになったのです。これが、1944年から翌年にかけての「ラップランド戦争」と呼ばれる戦いです。

『SISU』の舞台はまさにそのラップランド戦争の時期――つまり、ナチス・ドイツ軍がフィンランド北部から撤退を開始している中での出来事というわけです。撤退戦とはいえ、ドイツ軍は焦土作戦を取り、村や町を焼き払いながら北上していったと言われています。映画に描かれる暴虐なドイツ兵たちは、まさにその混乱と破壊のさなかにいた存在と考えられます。

このような歴史的背景を知ったうえで映画を観ると、単なるアクションではなく、フィンランドが大国のはざまで翻弄された苦難の歴史や、戦争という混沌の中で個人がどう生き抜くかというテーマも見えてきます。

また、タイトルにある「SISU(シス)」という言葉自体も興味深いものです。これはフィンランド語で「不屈の精神」「諦めない力」「静かな闘志」といった意味を持ち、フィンランド人の国民性を象徴する言葉として知られています。まさにこの映画の主人公は、「SISU」を体現した存在であり、逆境の中でも自らの信念を貫く姿が印象的でした。

娯楽性の高いアクション映画でありながら、実は歴史的な重みをしっかりと内包している『SISU/シス 不死身の男』。フィンランドという国が第二次世界大戦でどのような立場に置かれていたのか――そういった背景を知ることで、映画の見方も一層深まる作品だと感じました。



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1964年生まれ。糖尿病を患ってから、自転車と歩くことを趣味にしています。毎日クスリ飲んでます。

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