
先日、帰宅すると、ダイニングテーブルの上に郵便局の不在票が置かれていました。どうやら家人が私宛の配達物の再配達手続きを済ませてくれていたようです。
しかし、ここでひとつ引っかかることがありました。名前は確かに自分宛。でも、自分が注文した商品はすでに全部届いているはず。まったく心当たりがないのです。
念のため不在票の送り主欄を確認してみると、そこには見慣れない文字列が…。「Ecuatorial Guinea」とあります。「ギニア…?赤道ギニア…!?」ピンとこない地名に一抹の不安を覚えながら、スマホで検索してみると「アフリカ大陸中西部、ギニア湾に面する小国」とのこと。しかも旧スペイン領。いや、ちょっと待て、なんでそんな遠い国から荷物が来るんだ?
脳裏に浮かんだのは、いくつかのネット記事。「海外から届く身に覚えのない小包には注意」「犯罪の片棒を担がされる可能性も」――そんな警告が書かれていたのを思い出し、心拍数が少し上がります。詐欺?マネーロンダリング?いや、まさか麻薬密輸の抜け道にされたりしないよな…と、思わず物騒な想像まで膨らんできます。
「受け取らない方がいいかもしれない」と本気で思いつつ、一応は自分のAmazon、ヨドバシカメラ、Yahooショッピングの購入履歴を見返してみることに。すると…Amazonに、まだ届いていない商品がひとつだけありました。購入日は2月初旬。配達予定日は「3月12日ごろ」。なるほど、確かにこれだ。すっかり忘れていたけれど、心当たりがありました。
商品名は、「磁気オイルドレンプラグリムーバー」。クルマのオイル交換時、ドレンボルトを外す際に手を汚さずに済む便利グッズです。オイル交換の手順を紹介するYouTubeで見かけて「これは便利そうだ」と思い、即購入を決意。お値段はなんと470円(送料無料)。安すぎて、逆に不安になってくるレベルですが、当時は送料込みだしダメ元で…と軽い気持ちでポチったのでした。
購入履歴には出荷元「中国・上海」とありました。あれ?赤道ギニアじゃなくて中国? いよいよ謎が深まります。
届いた小包には確かに「赤道ギニア・マラボ」からの発送とされ、送り主の住所はこう書かれていました。
Avienda de Parque De Africa
Caracolas 2,
MALABO,
Equatorial Guinea
Googleマップで調べてみると、存在する場所のようです。首都マラボの住宅街?のような場所がヒットしましたが、なぜそこから470円のパーツが届くのか、まったく説明がつきません。物流網の何らかの事情なのか、単なる誤記なのか、あるいは転送サービスを経由しているのか…。とにかく謎です。
そんなわけで、届いた小包を前にして、「この中に変な仕掛けとか、盗聴器とか、GPS発信機とか入ってたらどうしよう…」と疑いながら慎重に開封。中身はごく普通の小さなツールでした。見た目も特に問題はなさそうで、ちょっと肩透かしを食った気分です。
とはいえ、470円のツールひとつを地球の裏側から送って利益が出るとは思えず、いまだにちょっと不気味です。単なる国際物流のミスか、意図的な何かか…。謎は残りますが、少なくとも今のところ、体に異変はありません(笑)。
世の中、便利になった分だけ、「なぜ?」という違和感も増えました。そういう意味で、ちょっとしたスリルと謎解き気分を味わわせてくれた一件でした。

2 件のコメント:
手を汚さない商品で手を汚す可能性・・・
んーシュールなお話
匪石さん、コメントありがとうございます。
なにか要らない心配をしてしまう商品でした。
しかし、どんな商売なんですかねぇ。
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