ニコライ・リー・カース主演、映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のあらす じ・感想など

2023年3月9日木曜日

映画 映画(洋画) 特捜部Q

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私的評価

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』を観ました。
観た当時はAmazonプライムビデオでは有料(20230309現在は会員特典で観られます)でした。

今回の犯人は、母親が宗教にのめり込み家庭を崩壊させ、犯人とその姉を児童虐待している家庭に育ちました。姉は顔に火傷を負わされ、それで失明しています。そしてとうとう犯人(小学高学年頃?)は母親をハサミを使って殺してしまうのです。そんな壮絶な過去と曲がった宗教観を持った犯人は、姉には深い愛情を持ちつつ、他者には殺人を犯すという人間になってしまいます。このシリーズの犯人は誰もが過去に大きな心に傷を負った者ばかりで、人生を狂わされた悲しい人たちです。
昨年(2022年)の首相暗殺事件から問題提起された日本の宗教問題。しかし、どこの国でも同じなんですね。劇中でアサドが自身の信仰感について話していた「信仰とは心が休まるもの」が本来の宗教なのではないでしょうか。ラストの讃美歌のシーンで見せるカールの涙がとても印象的でした。

★★★★☆

作品概要

監督はハンス・ペテル・モランド。
脚本はニコライ・アーセル。
原作はユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズ。
製作はルイーズ・ベス、ピーター・オールベック・イェンセン。
主演はニコライ・リー・カース、その他出演者にファレス・ファレス、ポール・スヴェーレ・ハーゲン、ソーレン・ピルマーク、ジョアンヌ・ルイズ・シュミットほか。

2017年製作のデンマーク・ドイツ・スウェーデン・ノルウェー合作のサスペンス映画です。北欧ミステリーの代表作として、欧米や日本でも大人気の「特捜部Q」シリーズの第3作目の映画です。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』スタッフが三たび実写化しました。

作品の紹介・あらすじ

解説
ユッシ・エーズラ・オールスンのミステリー小説「特捜部Q」シリーズの映画化第3弾。原作「特捜部Q-Pからのメッセージ-」を基に、未解決事件を担当する特捜部Qの刑事たちが助けを求める手紙の謎を追うさまを描く。前作に続き『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』などのニコライ・アーセルが脚本を担当。特捜部Qのメンバーも、ニコライ・リー・コスとファレス・ファレスが続投する。

あらすじ
コペンハーゲン警察で未解決事件を捜査する特捜部Qに、新たな依頼が舞い込む。海辺に漂着したビンの中に「助けて」と書かれた手紙が入っていたが、インクがにじんでほとんど判読不能の状態。差出人の頭文字Pを手掛かりに、手紙を解読しながら行方不明者の割り出しを進めるメンバーだったが……。

シネマトゥデイ

感想・その他

主人公カール・マーク役を演じているのは、デンマーク出身の俳優、ニコライ・リー・カース。名前だけ聞くとピンと来ないかもしれませんが、北欧サスペンスに興味のある人なら、一度はその演技に心を動かされたことがあるのではないでしょうか。

ただし、正直なところ、いわゆる「イケメン俳優」とは言い難いタイプです。背がとびきり高いわけでもなく、派手な華やかさがあるわけでもない。むしろ地味な印象すら受ける外見ですが、その分、彼が醸し出す静かな存在感や、どこか哀愁を帯びた表情が、観る者の心にじわりと沁みてくるのです。見た目で惹きつけるタイプではなく、じっくりと味が出てくる渋い俳優──まさに「噛めば噛むほど味が出る」タイプです。

対して、相棒のアサド役を演じるファレス・ファレスは、まさに逆の魅力を持っています。中東系の風貌と、鋭いまなざし、そして言葉の端々ににじむ理知的な冷静さ。彼の存在があるからこそ、ニコライ・リー・カース演じるカールの不器用さや内面のもろさが際立つという、絶妙なコンビネーションになっているのです。個人的には、このシリーズの見どころの一つは、まさにこの“異なる魅力を持つ二人の男の対比”だと感じています。

第2作目『特捜部Q キジ殺し』の「感想・その他」でも触れましたが、この特捜部Qシリーズは、原作小説が全8作あり、映画化はこれまでに第5作(2021年)まで進んでいるようです。シリーズが進むにつれてストーリーはより複雑に、そして人間関係も深く描かれていき、毎回観るたびに期待を上回る仕上がりで、シリーズとしての完成度も高く、次作への期待も高まるばかりでした。

ところが──。いよいよ第6作を観ようと思い、楽しみにして調べてみたところ、なんとニコライ・リー・カースが主演ではないというのです。まさかの主演交代。そしてさらに調べてショックを受けたのは、相棒のアサド役ファレス・ファレスも、ローセ役のヨハンネ・ルイーズ・シュミットも、つまり主要キャストがごっそり入れ替わっているという事実。あの絶妙なキャスト陣あってこその「特捜部Q」だったのに……。

もちろん、作品そのもののクオリティが落ちているとは限りませんし、新たな解釈や演出が加わっている可能性もあります。でも、これまでシリーズを追いかけてきた身としては、やはりあの“カールとアサド”のバディで続けてほしかった。特にニコライ・リー・カースの、影のあるまなざしと内に秘めた激情の表現は、ほかの誰にも真似できないものがありました。

それでもやっぱり、「特捜部Q」というシリーズそのものには愛着があるので、新キャスト版も、Amazonプライムビデオで観られるようになったら、ひとまず観てみようと思います。正直、期待よりも不安の方が大きいですが、それでもどんな「新・特捜部Q」に仕上がっているのか、自分の目で確かめたい。もしかしたら、新たな魅力を発見できるかもしれませんしね。とはいえ、やっぱり心の中では、ニコライ・リー・カースとファレス・ファレスのあの名コンビが、今でも恋しくてなりません。



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1964年生まれ。糖尿病を患ってから、自転車と歩くことを趣味にしています。毎日クスリ飲んでます。

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