
四国八十八カ所における高野山奥之院になぞらえ、結願所として名古屋市昭和区にある八事山興正寺の奥之院に参拝される方が多いようです。八十八か所を共に歩んでくださったお大師さまへの感謝の気持ちを込めて、春の穏やかな陽気の中、私も八事山興正寺に足を運んできました。もちろん、健康も兼ねてのウォーキングがてらの参拝です。
自宅を出て、緩やかな坂道を上りながら、春の風に舞う桜の花びらを眺めつつ歩く道のりは、まるで日常の喧騒から少し離れた小さな巡礼の旅のようでした。街中にありながら、八事山に近づくにつれ、空気がしんと静まり返るような感覚に包まれます。ふと立ち止まると、鳥のさえずりと木々のざわめきが、耳に心地よく届きます。
しかし、こんなところにこれほど立派なお寺があるとは、正直なところこれまで知りませんでした。石畳を進んで山門をくぐると、そこには厳かな空気が満ち、五重塔や本堂などの堂宇が荘厳にたたずんでいました。境内には巡礼者らしき方々もちらほらと見受けられ、手を合わせておられる姿に、自然とこちらの背筋も伸びる思いがしました。
奥之院へと向かう石段を一歩ずつ踏みしめながら、今まで歩んできた八十八カ所の思い出が静かに心を巡ります。様々な風景、出会った人々、そしてそれぞれの札所で感じた心の揺らぎや安らぎ。その一つ一つが、ここに来て初めて自分の中で結ばれ、ひとつの旅が完結したような気持ちになりました。
静かに手を合わせ、「ありがとうございました」とお大師さまに感謝を伝えたとき、心の中がふっと軽くなるのを感じました。八事山興正寺の奥之院は、まさにそうした感謝と祈りを受け止めてくれる、心の拠り所のような場所でした。
創建は貞享5年(1688)で、弘法大師の五鈷杵を授かった天瑞圓照和尚により建立されました。尾張藩二代目藩主・徳川光友が帰依して以来、尾張徳川家の祈願所としてその名を知られるようになります。「尾張高野」と呼ばれ、学問・修行の場、また人々の信仰を集める場とされてきました。
AichiNow








帰りはなぜか北上してしまい、遠回りしてしまいました。
そのため、本日は20Kmオーバーのウォーキングとなりました。
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