
先住猫のリンが亡くなってから、もう40日ほどが過ぎました。
季節は少しずつ移り変わり、日常もまた流れていきますが、心の中にぽっかり空いた空白はまだ埋まりません。そしてそれは、私だけではないようです。もう一匹の愛猫・キイも、どこか元気がないように見えます。寝る時間が増えたとか、食欲が落ちたというわけではありませんが、ふとした瞬間にぼんやりと何かを探すような目をしていたり、あまり鳴かなくなったり…そんな姿に、リンを失った寂しさを重ねてしまいます。
リンは、キイにとって決して優しい存在ではありませんでした。キイがちょっかいを出せば、「シャーッ!」と本気の威嚇。近づくことすらままならない時もありました。でも、キイはそんなリンが嫌いだったわけではなく、むしろ好きで好きで仕方がなかったのだと思います。だからこそ、あんなにしつこく構いにいったのかもしれません。報われない片思いのように、遠くからでもいいからそばにいたかったのでしょう。
そんなキイのお得意のポーズがこちら。少し体をくねらせて、甘えるような、不思議な格好。何かを待っているようにも、思い出しているようにも見えます。
キイは昔から抱っこを嫌がるタイプの子です。腕に乗せてもすぐに逃げ出してしまう。でもリンは、まるで人の赤ちゃんのように、抱かれるのが大好きな猫でした。ふんわりとした被毛に顔をうずめれば、ほんのりあたたかな匂いがして、それがどれほど癒しになっていたことか。
キイを無理やり抱っこしてみるたび、私は心の中でこう思ってしまいます。「ああ、もう一度だけでいいから、あの柔らかなリンの毛に顔を埋めたいな」――そんな願いは叶わないと分かっていながらも。
キイを撫でながら、リンのことを思い出す日々。命の繋がりは、姿がなくなってもなお、家の中に静かに残り続けているように思います。
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