
自宅の居間のエアコンが壊れて、早いもので2週間が経ちました。連日のように30℃を超える猛暑日が続く中、冷房のない生活はなかなかに過酷で、日中の居間はまさに“蒸し風呂状態”。風を通してみても生ぬるい空気が巡るだけで、扇風機がかえって熱風をかき回しているように感じられます。
本当は、エアコンの新しい機種を7月13日(土)に取り付ける予定だったのですが、まさかの問題発生。設置作業が中断され、延期を余儀なくされました。理由は電源の位置と配管の問題。簡単に終わると思っていた作業が思わぬ方向へ転び、取り付けはさらに1週間先の22日、つまりこの記事を書いている“本日”へと持ち越されてしまったのです。
そんな訳で、エアコンのない蒸し暑い自宅を一日でも早く脱出したいと、昨日の日曜日は“避暑”も兼ねてエブリイを走らせ、久しぶりのドライブに出かけてきました。行き先に選んだのは、設楽町にある標高1000mの面ノ木峠。若かりし頃、オートバイで何度も通った懐かしの場所です。40年ほど前、面ノ木峠は私にとって“静寂”を求める絶好の隠れスポットでした。ソロツーリングの目的地としてよく訪れ、人気(ひとけ)もなく、静かに時間が流れるお気に入りの場所だったのをよく覚えています。


しかし、久しぶりに訪れてみると、その様子は少し変わっていました。駐車場は今や登山者たちの拠点となっているようで、午前中の早い時間にもかかわらず、ほぼ満車の状態。ハイキング姿のグループや、中高年の登山者たちが準備を整え、山道へと向かっていく光景が広がっていました。
それでもクルマを停めて外に出た瞬間、都会とはまるで別世界の空気が身体を包みました。標高1000mの山の風は、湿気を含まない軽やかさで頬を撫で、心なしか呼吸が深くなるような気がします。気温は26℃ほど。太陽の光はしっかりと差しているのに、暑さを感じないのは不思議なほど。あたりにはヒグラシの「カナカナ…」という涼やかな声が響き、真夏というより、夏の終わりのような静けさが漂っていました。
本当はここでゆっくりとコーヒータイムでも楽しもうと思っていたのですが、登山者の車で賑わう駐車場では落ち着かず、早々に場所を移動することに。そこから茶臼山高原道路を少し走った先、「面ノ木園地 天狗棚駐車場」という場所に立ち寄りました。これが大正解。トイレのある広々とした駐車場の向かいには、車が少なくひっそりとしたスペースが広がっており、静かに腰を下ろすにはまさにうってつけの場所でした。
エブリイの中でコーヒーを飲みながら、しばらくぼんやりと過ごします。鳥の声、虫の羽音、風の通り道。それだけで満たされていくような時間が流れていきました。遠くまで来た甲斐があったな、と心から思える瞬間でした。
こうして、思いがけず懐かしい場所との再会を果たした避暑ドライブ。エアコンが壊れていなければ、きっとこの日この景色とも出会えなかったでしょう。たまには、不便がきっかけで生まれる“贅沢な逃避行”も悪くない。そんなふうに思いながら、帰り道の山道を、少し名残惜しく感じていました。


コーヒーを楽しみながら1時間ほどまったりして帰路につきました。



帰路、以前から気になっていた「月瀬の大杉」を見学。樹齢1800年と言われる大木にパワーを貰いました。
走行距離250Kmほど。
昭和三年長野県指定、同19年(1944)11月13日に国天然記念物に指定された月瀬の大杉は、樹高40メートル、幹廻り約14メートルに達し、日本第六位、長野県第一位の巨木である。樹齢は文部省調査による約1800年を採用している。
昔から虫歯に病む者が祈願すると霊験が著しく、また大事変がおこるときには前兆として大枝が折れると語り継がれている。旧月瀬村の産宮のご神木として古来から尊崇され、地区民の手で保護されて来た。
弘化元年(1844)の江戸城本丸消失の復興用材として、また、明治四一年(1908)国の施策による村内神社統合の折り、大杉売却の決議がなされたが、月瀬区民六十戸の総結集により、当時の大金800円を無尽講を作り十数年にわたり積立てることによって難を逃れ、保存され現存に至っているのである。
平成二年以降、「大スギ公園」作りが、特定地域林業振興総対策事業として導入された。「観光に訪れる皆さんにゆっくりくつろいでほしい」との念願から、大スギ周辺にテニスコート・ゲイトボール場・トイレ棟・あずま屋などを設置し整備を進めている。
一方、老人クラブ員の草とり作業、全戸交代によるトイレ清掃などの奉仕活動が毎週行われている。
根羽村観光協会
2 件のコメント:
飯田方面の配達の際には車窓から一礼させて頂いてました。
存在感は圧倒的ですよね。
昔昔は5本あったと覚えていたのですが今改めて調べると後継樹として5本植樹されているようですね。
何処かでガセネタ拾ってかしまったようです。
ranranさん、コメントありがとうございます。
その「月瀬の大杉」の案内板は見てましたが、このように整備されている所だとは知りませんでした。
よく通る153号線ですが、知らないだけでいろいろと見所がありますね。瑞浪の世界一の狛犬など、ranranさんはいろいろとよくご存じで感心しきりです。
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