草彅剛主演、NHK宮城発地域ドラマ『ペペロンチーノ』のあらすじ・感想など

私的評価

NHK宮城発地域ドラマ『ペペロンチーノ』を観ました。
NHK BSプレミアムで2021年3月6日午後10時半より放送されました。

同じ日の夜には、綾瀬はるか主演のNHKドラマ『あんたのそばで明日が笑う』も放送されていましたが、個人的には断然こちらの『ペペロンチーノ』の方が心に残りました。物語の展開や登場人物の描写が丁寧で、見ていて引き込まれる力がありました。

主演の草彅剛さんの演技も特筆すべきものでした。これまで「演技が上手い」と言われることは知っていましたが、今回の役柄では、その上手さが自然に心に届き、「ああ、草彅剛さんって本当に演技がうまいんだな」と素直に見直す瞬間がありました。

ラストでは、思わず「そうだったんだぁ!」と胸に迫る展開があり、涙があふれました。短時間の放送ながらも、余韻の残る素晴らしいドラマでした。

★★★★☆

作品概要

制作統括は青木一徳(NHK仙台放送局)。
脚本は⼀⾊伸幸。
出演は草彅剛、吉田洋、國村隼、矢田亜希子ほか。

『ペペロンチーノ』は、NHK仙台放送局制作による「宮城発地域ドラマ」としてNHK BSプレミアムおよびNHK BS4Kで2021年3月6日に放送されたテレビドラマ。
宮城県牡鹿半島の海を臨むイタリアンレストランのオーナーシェフを主人公に、東日本大震災から10年を迎える被災地の復興と被災者の心の再生を描いた群像劇。一色伸幸脚本。
撮影は4K制作で、宮城県牡鹿郡女川町および牡鹿半島(石巻市)にて2020年冬に行われる。NHK東日本大震災プロジェクトの一環として制作。

Wikipedia(ドラマ:ペペロンチーノ)

作品の紹介・あらすじ

東日本大震災から10年後の2021年3月11日、宮城県牡鹿半島にある海を臨んだイタリアンレストランのオーナーシェフ・小野寺潔は、被災地が厳粛な雰囲気に包まれるこの日にあえて酒を飲んで騒ごうと、自分に勇気を与えてくれた友人たちを招いて宴を開きました。
潔の意図が分からず訝しがる友人たちに対して潔は、東日本大震災で経営していたレストランを流されアルコール依存から自暴自棄となった自分が、美味しい料理を研究し、どのようにレストランを再建したのかを語り始めます。この宴に込められた深い思いとは何か。そんな心温まるストーリーです。

感想・その他

草彅剛さんと吉田洋さんが夫婦役を演じていました。画面を観ながら、「かなりの姉さん女房だな」と思わず考えてしまいましたが、実際には二人の年齢差はたった一つ違いだったことに驚きました。草彅さんは若々しい印象を受けましたが、もう結構な年齢なんですね。私にとっては、テレビ番組『夢がMORI MORI』で初めてSMAPというグループを知った頃の記憶がよみがえります。当時は誰が誰なのかまったく興味もなく、知ろうとも思わなかったのですが、彼らメンバーは皆、子どもっぽさを残していて、いつまでも若々しく感じられるのも納得です。

ドラマの方に目を向けると、最後のエンディングには驚かされ、思わずほろりとしてしまいました。主人公がアルコール依存に陥り、自暴自棄に陥るに至った原因が明かされる瞬間には、「ああ、だからそうだったのか」と納得させられます。それだけでなく、脚本全体の構成が非常によく練られていて、視聴者を引き込み、感情を揺さぶる力がありました。最後まで見終えたときの余韻が心に残る、完成度の高い作品だと感じました。

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