私的評価
映画『300〈スリーハンドレッド〉~帝国の進撃~』を観ました。Amazonプライムビデオの字幕版での鑑賞です。
題名に「300」とありますが、実際には『300〈スリーハンドレッド〉』そのものの続編というよりは、同じ時代・世界観を共有するサイドストーリー的な位置づけの映画です。本編と同様に古代ギリシャとペルシア帝国との戦いを描いていますが、舞台や登場人物は異なり、あくまで並行して起きていたもう一つの戦場に焦点が当てられています。そのため、本作単体でもある程度楽しめますが、前作を観ておくとより理解と没入感が深まります。
さて、私にとってこの作品は、エンタメとしてだけでなく、トレーニングのお供としても大変優秀でした。というのも、私は日々の運動の一環として、室内で行うローラー台トレーニング(自転車を固定して漕ぐトレーニング)を取り入れています。この運動、実は単調になりがちで、時間がとても長く感じられるのが難点。そんな時に力を発揮してくれるのが、ドキドキ・ハラハラさせてくれる格闘技系番組やアクション映画なのです。
この映画はまさにうってつけでした。戦闘シーンの連続と緊張感あふれる展開に、観ているこちらの心拍数も自然と上昇。戦士たちの動きに合わせてペダルを回していると、あっという間に時間が過ぎていき、「辛い」と感じる暇もありませんでした。むしろ、物語の展開が気になって、もう少し漕いでいたいと思ったほどです。運動のモチベーション維持に困っている方には、こうした“闘う映像”を活用するのも一つの手かもしれません。
★★★☆☆
作品概要
監督はノーム・ムーロ。原作はフランク・ミラーのグラフィックノベル『Xerxes』。
脚本はザック・スナイダー、カート・ジョンスタッド。
製作はジャンニ・ヌナリ、マーク・キャントンほか。
主演はサリヴァン・ステイプルトン、その他出演者にエヴァ・グリーン、レナ・ヘディほか。
2014年のアメリカのアクション映画です。2007年の映画『300〈スリーハンドレッド〉』の続編であり、前作の出来事の前後の物語が描かれています。前作の監督・脚本であるザック・スナイダーが、脚本・製作を務めています。
作品の紹介・あらすじ
解説
フランク・ミラーのグラフィックノベルを実写化したヒットアクション『300 <スリーハンドレッド>』の続編。前作で命を散らしたスパルタのレオニダス王に代わってペルシャ軍に挑む、アテナイのテミストクレス将軍と彼が率いる兵士たちの激闘を活写する。メガホンを取るのは、『賢く生きる恋のレシピ』のノーム・ムーロ。『L.A. ギャング ストーリー』などのサリヴァン・ステイプルトン、『パーフェクト・センス』などのエヴァ・グリーンらが出演。壮絶な肉弾戦はもちろん、戦う男たちの絆をめぐるドラマにも注目。
あらすじ
100万もの兵を率いてギリシャ侵攻を図るペルシャ帝国を相手に、300人の精鋭と共に戦いを繰り広げた果てに命を落としたスパルタのレオニダス王。彼の遺志を継ぐようにしてアテナイのテミストクレス将軍(サリヴァン・ステイプルトン)は、パン屋、陶工、詩人といった一般市民から成るギリシャ連合軍を率いてペルシャ帝国に立ち向かっていく。ペルシャ帝国の海軍指揮官アルテミシア(エヴァ・グリーン)らと拮抗する中、ついに大海原を舞台にした最終決戦を迎えることに。
シネマトゥデイ
感想・その他
ローラー台(サイクルトレーナー)を回しながら観たので、どうしても細かなセリフや映像のディテールは見逃したり聞き逃したりしている部分がありますが、それでも感じたことを少し書き留めておきたいと思います。まず、この映画をじっくり腰を据えて真剣に鑑賞する作品かというと、正直なところ、そうでもないかもしれません。前作『300〈スリーハンドレッド〉』の時には、その独特の映像表現——ハイコントラストで重厚な色調、スローモーションを多用した戦闘シーン、そして容赦ない流血描写にかなりの衝撃を受けましたが、続編となる本作では、そうしたビジュアル演出にも慣れてしまい、新鮮味はやや薄れていると感じました。
ただ、それでもこの作品は、単純にアクション映像を楽しむための“観る筋トレ用エンタメ”としては非常に優秀です。難しいストーリーを読み解く必要はなく、善悪が明確で、戦う動機もシンプル。まさに、何も考えずにド迫力の映像に身を任せることで満足できるタイプの映画と言えるでしょう。
前作で一際強烈な印象を放っていたのが、ペルシア帝国の王・クセルクセス1世です。奴隷に担がせた巨大な神輿の上で金のアクセサリーと金パンツに身を包み、鼻ピアスまで付けたその姿は、神々しさというより異様な威圧感で観る者を圧倒しました。今回の続編では、そのクセルクセスがどうしてあのような姿になったのか、その“誕生秘話”的な過去が少しだけ明かされます。これがまた興味深く、もともとは普通の人間だった彼が、どうして「神王」として君臨するに至ったのかという変遷が描かれ、前作とのつながりを感じさせてくれます。
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