私的評価
NHKスペシャル『ドラマ 星影のワルツ』を観ました。NHK BSプレミアムで2021年4月24日午後7時半より放送されました。
実はこの作品、NHK総合で2021年3月7日に放送されていたのですが、その時は観ることができず、とても悔しい思いをしました。待ち望んでいた作品だけに、放送を逃したことが残念で仕方なかったのです。今回、BSプレミアムで再放送されることになり、やっと念願かなって視聴できました。
内容についてですが、期待があまりにも大きかったせいか、正直少し物足りなさを感じてしまいました。物語の展開や登場人物の描写には見どころがあるのですが、私の心を大きく揺さぶるほどではなかったという印象です。それでも、丁寧に作られたドラマであることは十分に伝わり、音楽や映像の美しさ、俳優たちの演技には楽しむ価値がありました。
★★★☆☆
作品概要
スタッフに峰尾賢人、大石みちこ。出演は遠藤憲一、菊池桃子、川栄李奈、岡山天音ほか。
2011年3月11日の地震発生後、大谷孝志60歳は南相馬の自宅に帰って来た。家には妻がおり、避難しなければならなかったが、逃げ遅れ家の2階で津波にのみ込まれることになった。紐で結び合った夫婦であったが、離ればなれになってしまいます。濁流の中で大谷は、偶然見つけた自宅のトタン屋根によじ登って妻を捜したが…。三日後に海上自衛隊のイージス艦に救助されるまでと、その後を描きます。
作品の紹介・あらすじ
ずっと一緒と思っていた…
津波で3日間 漂流を続けた男の実話に基づく物語。
東日本大震災から3日、福島沖15㎞の海で屋根に乗って漂流する男性がイージス艦に救助された。南相馬市の自宅で津波にのまれた60歳の農家・大谷孝志。妻恭子を奪った海でひとり絶望と戦った。耐え難い寒さと渇き。押し寄せる瓦礫。目の前で爆発する福島第一原発…。死を覚悟し、妻との日々をふりかえるたび奇跡のように流れ着く希望の品々。「恭子、生きろというのか」。クラゲの光に励まされ、妻の愛唱歌「星影のワルツ」で生きる力を取り戻す。あたりまえの日常がどれほど尊い時間だったか…。実際の救出映像やニュース映像を随所に使い、10年前の震災の記憶を新たにしながら、人間の底力と家族の絆を深く描く。
NHKドラマ
感想・その他
寒さに震え、お腹も空き、のどの渇きも想像を絶するものであったであろう状況――そういう極限の苦しみを描こうとしていたはずですが、残念ながら私にはそれが十分に伝わってきませんでした。主演の遠藤憲一さんの独特の飄々とした演技が、むしろそうした緊迫感や苦悩を和らげてしまっていたように感じられ、そこが非常に惜しいところでした。もし彼がもう少し内面の葛藤や切迫感を前面に出して演じていれば、視聴者としての没入感もぐっと増したのではないかと思います。さて、ドラマの題名にもなっている「星影のワルツ」について調べてみると、1966年に発表された曲であることが分かりました。当初はB面曲だったそうですが、千昌夫さんがこの歌を気に入って歌い続けたことで、有線放送を通じて徐々に火がつき、最終的には累計売上250万枚という大ヒット曲になったそうです。
私自身、この曲を聴いた記憶は小学校に上がる前からありました。小学生になってからは歌番組でも頻繁に流れており、誰もが耳にしたことのあるヒット曲だったのです。穏やかで心地よいメロディーに、切なく沁みる歌詞。時を超えても色あせない名曲であり、ドラマの中でその存在を知ったことで、当時の思い出や懐かしさもよみがえりました。
さよならなんてどうしても
いえないだろうな泣くだろうな
別れに星影のワルツをうたおう
遠くで祈ろう幸せを
遠くで祈ろう幸せを
今夜も星が降るようだ
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