阿部寛主演、映画『祈りの幕が下りる時』のあらすじ・感想など

私的評価

「新参者」シリーズ、映画『祈りの幕が下りる時』を観ました。
レンタルビデオでの鑑賞です。

物語を観ながら、自然と頭の隅で思い浮かんだのは、父親、母親、家族、そして自分と子どもたちのことでした。登場人物たちの人間関係や思いに触れるたび、家族とのつながりの大切さや日常のありがたみを改めて感じさせられます。特にラストにかけての展開は、悲しみと温かさが入り混じり、心にじんわりと染み渡りました。

映画を観終わった後、ふと「ちょっと実家に行って、顔を見せてこようかな」と思わず考えてしまうような、そんな優しい余韻が残る作品でした。日常の中で忙しさに追われ、つい家族と過ごす時間を後回しにしがちな自分に対しても、そっと気づかせてくれる映画です。

★★★☆☆

作品概要

監督は福澤克雄。
脚本は李正美。
製作は伊與田英徳、藤井和史、川嶋龍太郎、露崎裕之。
原作は東野圭吾の同名小説です。
主演は阿部寛、その他出演は松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈ほか。

2018年公開の日本映画です。東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編です。東野の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」第10作の映画化で、2010年に放送された連続ドラマ「新参者」、2本のスペシャルドラマ、映画『麒麟の翼 劇場版・新参者』に続き、阿部寛が主人公の刑事・加賀恭一郎を演じています。

作品の紹介・あらすじ

解説
類い稀な推理力で難事件を解決に導く刑事を主人公にした、東野圭吾の人気ミステリー小説を映像化した『新参者』シリーズの完結編。謎に包まれた殺人事件の捜査線上にある女性演出家が浮上したことで、主人公・加賀の母が失踪した理由や父との不和、加賀自身の過去が明かされる。主演の阿部寛をはじめ溝端淳平、田中麗奈、山崎努らレギュラー陣が続投し、新キャストとして松嶋菜々子、伊藤蘭、小日向文世らが参加。テレビドラマ「半沢直樹」などの演出を務めた福澤克雄がメガホンを取る。

あらすじ
滋賀県に住む女性が東京都葛飾区で殺され、松宮(溝端淳平)ら警視庁捜査一課の刑事たちが担当するが、捜査は難航する。やがて捜査線上に女性演出家・浅居博美(松嶋菜々子)の存在が浮かび上がり、近くで発見された焼死体との関連を疑う松宮は、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が記されていることを発見する。そのことを知った加賀恭一郎(阿部寛)は心を乱し……。

シネマトゥデイ

感想・その他

主人公の加賀恭一郎、つくづく阿部寛さんのはまり役だと感じます。私の中では、金田一耕助役の石坂浩二さんのような存在感。ちなみに阿部さんとは同い年なのですが、背も20センチほど違うし、なんだか不思議な感覚です。まあ、阿部さんも不遇な時期を乗り越えてきたようですし、そこは大目に見ましょう(笑)。その存在感と落ち着き、そして独特の柔らかい迫力は、他の誰でも代えがたいものがあります。

松嶋菜々子さんの演技はさておき、お歳を召されてもなお美しく、華やかな雰囲気は健在です。しかし、私が特に印象に残ったのは、博美の子供時代を演じた桜田ひよりさんです。彼女の演技は自然で、表情ひとつひとつに心を揺さぶられます。特に父親役の小日向文世さんとのトンネル内での生き別れシーンは、胸が締め付けられるように切なく、涙がこぼれそうになりました。今後は桜田ひよりさんの出演作品やオフィシャルサイトもチェックすることに決めました。

これまでの『新参者』シリーズ、連続ドラマの『新参者』、特番ドラマの『赤い指』や『眠りの森』、そして映画の『麒麟の翼』と観てきましたが、個人的には『赤い指』が一番印象深いです。何度観ても泣ける、感情を揺さぶる作品で、加賀恭一郎というキャラクターの魅力を最も感じられるのもこの作品だと思います。

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