猫の前脚の「ヒゲ」の謎



キイの前脚をじっと眺めていたら、ふと違和感を覚えました。毛並みの中に、何やら一本一本しっかりとした「ヒゲ」のようなものが生えているのです。最初は「え?こんなところに毛が伸びている?」と不思議に思ったのですが、触ってみると明らかに普通の毛とは違う硬さ。どう見ても、これはヒゲです。

そこでリンでも確認してみました。リンの場合は毛色や長さの関係で分かりづらかったのですが、よく見ると同じ場所にちゃんと生えていました。つまり、キイだけの特別仕様ではなく、猫という生き物に共通するものだったのです。

調べてみると、猫のヒゲは「触毛(しょくもう)」あるいは「洞毛(どうもう)」と呼ばれているそうです。あの顔まわりの立派なヒゲはもちろん有名ですが、実は一口に「顔のヒゲ」といっても複数の種類があり、眼の上、頬、鼻の横、下あご――少なくとも4種類に分かれているのだとか。

そして驚いたことに、キイの前脚の手根部、つまり手首あたりに生えているのも、れっきとした「洞毛」なんですね。どうやら猫は顔だけでなく前脚にもセンサーを備えていて、暗闇の中での距離感や障害物を感じ取ったり、獲物を捕らえるときの微妙な動きを補助したりする役割を果たしているそうです。

あの小さな前脚にまで、自然界を生き抜くための知恵と仕組みが詰まっていると思うと、本当に猫という生き物の奥深さに驚かされます。
この部分の洞毛は特に触覚に敏感で、前肢で獲物を掴む肉食動物の特徴です。獲物の捕獲(捕まえた獲物の微妙な動きを察知し、まだ動いているのであれば息の根を止める)障害物を避けるなど行動に関連しているのではないかと考えられています。
猫のヒゲ 〜洞毛の実力とその謎〜
引っ張って抜かなくて良かったです。

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